こんにちは、営業担当の河上です。今回は、経済の観点から、新型コロナウイルスの猛威と今後のグローバル化について考えてみたいと思います。

新型コロナウイルスの猛威より、日本の各企業はグローバル化に対する見直しを強めていくでしょう。人やモノの移動が制限される中、物理的・心理的な制約が貿易を抑制する可能性があるからです。例えば、製造業においては、海外からの部材調達のリスクや難易度が高まり、海外の工場が閉鎖に追い込まれるケースも想定できます。これまでに多くのメディアが取り上げている通り、自国第一、保守主義を高め、反グローバル化が一層進んでいくでしょう。そして、このような厳しい経営環境において、生産拠点や部材調達を国内企業へ移す流れは益々強まるはずです。

著書「サピエンス全史」で有名な世界的歴史学者・哲学者のユヴァル・ノア・ハラリ氏は、2020年3月15日付のアメリカTIME誌に「人類はコロナウイルスといかに闘うべきか――今こそグローバルな信頼と団結を(原題:In the Battle Against Coronavirus, Humanity Lacks Leadership)」という題目の記事を寄稿しました。

その中で、こう述べています。

多くの人が新型コロナウイルスの大流行をグローバル化のせいにし、この種の感染爆発が再び起こるのを防ぐためには、脱グローバル化するしかないと言う。壁を築き、移動を制限し、貿易を減らせ、と。だが、感染症を封じ込めるのに短期の隔離は不可欠だとはいえ、長期の孤立主義政策は経済の崩壊につながるだけで、真の感染症対策にはならない。むしろ、その正反対だ。感染症の大流行への本当の対抗手段は、分離ではなく協力なのだ。

参考:株式会社河出書房新社、『サピエンス全史』のユヴァル・ノア・ハラリ氏、 “新型コロナウィルス”についてTIME誌に緊急寄稿!| Web河出

反グローバル化の流れは、内需拡大やジャパンブランド推進という観点から見れば好ましい状況とも言えます。しかし一方で、これまで戦後以来続いてきたグローバル化の流れが押し戻され、長年かけて構築された世界的なサラプライチェーンが断絶されたまま経済活動が進んでいくのは、ハラリ氏同様に、経済の混乱や崩壊に繋がる可能性を高めるのではと感じます。

今後は、反グローバル化が強まる中で、国際協力の絆を強め継続するという、新型コロナウイルスの前とは違った形のグローバル化が必要となるのではないでしょうか。

CMCとしては、国や企業同士の国際協調や自由貿易等におけるコミュニケーションのサポート役として、これからも貢献していきたいと考えています。

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